「ソトツネ」とは

 

「ソトツネ」は、私の曽祖父・小川常次郎の屋号「外常」に由来しています。

小川家は代々、東京の須崎町(現・東京都墨田区向島)で鳶の頭を務めていました。そして、代々の頭は、名前の一字に「外」を付けたものを屋号としていました。当時の須崎町について記した文書には、小川熊次郎が「外熊」を名乗り、「町内の頭のやうな仕事」を担ったこと、その後「外市」こと市太郎、「外若」こと若太郎にその仕事が引き継がれていったことが記されています。

「外若」の後を継いだのが「外常」こと小川常次郎でした。1888(明治21)年生まれの常次郎は1922(大正11)年に頭に就任。地域の世話役的存在として信頼され、また畏れられる存在であったようです。第二次大戦後には、焦土と化した東京の復興にも貢献したと言われています。

常次郎は1960(昭和35)年に亡くなりましたが、「外常」の屋号は残りました。常次郎の跡を継いだ小川福太郎(私の祖父)は、その影響力を考慮した上で、あえて「外福」ではなく「外常」を名乗り続けたのです。こうして「外常」が小川家そのものを指す屋号として認識され、存続することとなりました。現在(2018年)でも、古くからある飲食店等では「外常」で通じるところがわずかながら残っています(私も子供の頃、年配の人から「外常さんとこのセガレか」と言われたことがあります)。

この度、コンサルタントとして独立するにあたり、自身の屋号に「ソトツネ」の名を冠しました。曽祖父・常次郎にあやかる形で、「地域に根差し、皆様から信頼される存在でありたい」という想いを込めています。

 

ソトツネコンサルティング

代表 小川 晶太郎

小川常次郎に関する記述。 (出所)不詳。旧須崎町の郷土資料か。